漫画家まどの一哉ブログ
「体の居場所をつくる」 伊藤亜紗
「体の居場所をつくる」
伊藤亜紗 著
(朝日出版社)
摂食障害、ナルコレプシー、ALS。様々な難病の末、自分の体を自分を離れた別のものとして扱わざるを得ない人々。ままならない体とどう付き合ってきたのか。11人の方をレポート。
先天性の脊髄性筋萎縮症のシンさんは、ヘルパーの方含めてあらゆる他者の体が潜在的に自分の体である。他人の体が自分の延長でなければ困る。例えばその人は災害時に自分を抱き上げて逃げることができるか?また体から出た信号はすべて無意識に言葉として絶えず発話されている。
光・音・匂い・気圧などの刺激が吐き気、目まい、頭痛などになって現れる身体症状症のさえさん。外へ出ることができない生活ながらオリィ研究所の分身ロボットを活用することにより、入力情報をコントロールしながら自室に居ながらにして社会と接することができる。(ロボットOriHimeはかなり現地に行ってる感あるらしい)
まだまだそのメカニズム解っていないコロナ後遺症のもとちゃんさん。著しく筋力が低下し、地球の何倍もの重力のある星にいるような感覚。自分の体は自分と無関係なモノになったようで、指先ひとつ動かせない「凍りつき」状態になることも。
人間は間違いなく体があるからこそ生きているものだが、その体が自分から離れてしまったとき、何を支えに生きていけばいいのか。どうやって体と繋がるか。なんとか体の居場所をつくるまでがたいへんさだが、それでもここまでたどり着いたという明るさがあって読んでいて救いは感じられた。
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