漫画家まどの一哉ブログ
「人間の解剖はサルの解剖のための鍵である」 吉川浩満
読書
「人間の解剖はサルの解剖のための鍵である」
吉川浩満 著
認知と進化に関する最先端の諸科学の成果を紹介しながら、我々人間がなにものでこれからどこへ向かうのか?を考えようとする好著。
進化心理学や行動経済学などの解説が自分のような素人にとって丁度良いところに止めてあり、これから諸科学が何を成しとげ社会に何が起きるのか、全方位に書かれていてその壮大なスケールにワクワクとする。映画の予告編のような役割だがそこが楽しい。はたして今後自分がここにあげられている各先端分野の代表的著作を読むかと言われれば、絶対読まないとは限らないが、おそらくあんまり読まないだろう。古典的名著であるドーキンスや多田富雄、見田宗介などの代表的な著作は一応読んではいるが、あらためてその重要性を思い知ることができた。
規範ギャップのための不合理な判断の話は充分分かりやすいし、人間の脳が本能的なショートリーシュ(直感的な短い判断)の上にロングリーシュ(自由度の高い時間のかかる判断)を重ねてできていることも、知っておくと目から鱗の体験ができるのではないだろうか。
なかでも以前読んだ「理不尽な進化」で触れられていた絶滅というキーワードがさらに深く掘り下げられていて、ああそうだったのかという思い。人類が絶滅した後で倫理の問題が存続するのか考えなければならないなんて、哲学とはなんとやっかいなしろものだろう。
「人間の解剖はサルの解剖のための鍵である」
吉川浩満 著
認知と進化に関する最先端の諸科学の成果を紹介しながら、我々人間がなにものでこれからどこへ向かうのか?を考えようとする好著。
進化心理学や行動経済学などの解説が自分のような素人にとって丁度良いところに止めてあり、これから諸科学が何を成しとげ社会に何が起きるのか、全方位に書かれていてその壮大なスケールにワクワクとする。映画の予告編のような役割だがそこが楽しい。はたして今後自分がここにあげられている各先端分野の代表的著作を読むかと言われれば、絶対読まないとは限らないが、おそらくあんまり読まないだろう。古典的名著であるドーキンスや多田富雄、見田宗介などの代表的な著作は一応読んではいるが、あらためてその重要性を思い知ることができた。
規範ギャップのための不合理な判断の話は充分分かりやすいし、人間の脳が本能的なショートリーシュ(直感的な短い判断)の上にロングリーシュ(自由度の高い時間のかかる判断)を重ねてできていることも、知っておくと目から鱗の体験ができるのではないだろうか。
なかでも以前読んだ「理不尽な進化」で触れられていた絶滅というキーワードがさらに深く掘り下げられていて、ああそうだったのかという思い。人類が絶滅した後で倫理の問題が存続するのか考えなければならないなんて、哲学とはなんとやっかいなしろものだろう。
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