漫画家まどの一哉ブログ
「人形愛/秘儀」高橋たか子
読書
「人形愛/秘儀」 高橋たか子 作
「人形愛/秘儀」 高橋たか子 作
やはり高橋たか子は好きな作家で、カトリックで求道的な気質を持ちながら、エロチックで霊的幻想が溢れているところが良い。
大人に成りかけている少年を自分勝手な妄想で飾り立てる。
「人形愛」:夢の中で触れる青年の人形。現実世界では古風なホテルに滞在する受験勉強中の青年と知り合い、夢中の人形と混同して付き合っている。夢と現実が交互に語られるが、ラストで他人と主客が入れ替わるような作為が施されていて、とつぜん耽美抜きの幻想文学に変化する。
「秘儀」:郊外の廃屋に少年とともに忍び込み、自身が解脱と呼ぶ精神世界への飛躍を試みる女。蝋細工作家に少年の体のパーツをそっくり模倣したロウソクを作らせ、廃屋での儀式に使ったりする異常な性癖を見せる。この少年と彼女の関係が謎めいているが、少年に言わせれば彼女は「狂ってるんです」という扱いらしい。
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