漫画家まどの一哉ブログ
「世界の果てまで連れてって!…」 ブレーズ・サンドラール
「世界の果てまで連れてって!…」
ブレーズ・サンドラール 作
(ちくま文庫)
第二次大戦後のパリで自由気ままで破天荒な生活を続ける老女優。そのあきれた乱脈ぶりを本人が喋って喋ってしゃべり尽くす物語。
物語の最終近くで、まぶたに刺青をされた外人部隊からの脱走兵の語るエピソードが面白かった。また前半、酒に溺れたろくでなしでありながら従軍後レジオン・ドヌール勲章をもらって帰ってくると酒場を開き、カウンター内で殺されてしまう男の話もおもしろかった。
それ以外の各章のほとんどは主人公の女優テレーズ婆ちゃんの一人語りだが、確かに常軌を逸した生活(性生活)ぶりだが、内容に興味が持てなかった。小説全体を通して絢爛豪華な饒舌体だが、この作品では邪魔な感じがした。
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