漫画家まどの一哉ブログ
「リチャード三世」 シェイクスピア
読書
「リチャード三世」
シェイクスピア 作
若きシェークスピアの出世作。権謀術数を労して次々と親族を殺害し、ついには国王にまで昇りつめたリチャード三世の破滅へ至る物語。
15年間をひとつの舞台に凝縮し、あれよあれよという間に事態が動いてゆくおもしろさ。とは言っても40人近い登場人物。それもエドワードやヘンリーやリチャードの何世やら息子やら甥っ子やらで、イギリス王室の歴史を知らない自分としてはもう冒頭から誰が誰やらだ。しかし主人公グロスターが手当たり次第に人を陥れて裏切ってリチャード三世となるまでの話と構造は決まっているので、さほど悩まず読むことができる。
それより翻弄される王族たちの罵りの言葉や、うろたえる様子。逡巡する暗殺者など、どれもおおいに人間味があってあっておもしろい。エリザベスやマーガレット、その他未亡人もつねに激情におぼれていて饒舌だ。当然だがストーリー以外のこういったセリフに魅力がないと作品は生きてこない。もっともリアリズムから言えばありえない長口舌、減らず口のたぐいで、実におおげさな人々ではあります。
「リチャード三世」
シェイクスピア 作
若きシェークスピアの出世作。権謀術数を労して次々と親族を殺害し、ついには国王にまで昇りつめたリチャード三世の破滅へ至る物語。
15年間をひとつの舞台に凝縮し、あれよあれよという間に事態が動いてゆくおもしろさ。とは言っても40人近い登場人物。それもエドワードやヘンリーやリチャードの何世やら息子やら甥っ子やらで、イギリス王室の歴史を知らない自分としてはもう冒頭から誰が誰やらだ。しかし主人公グロスターが手当たり次第に人を陥れて裏切ってリチャード三世となるまでの話と構造は決まっているので、さほど悩まず読むことができる。
それより翻弄される王族たちの罵りの言葉や、うろたえる様子。逡巡する暗殺者など、どれもおおいに人間味があってあっておもしろい。エリザベスやマーガレット、その他未亡人もつねに激情におぼれていて饒舌だ。当然だがストーリー以外のこういったセリフに魅力がないと作品は生きてこない。もっともリアリズムから言えばありえない長口舌、減らず口のたぐいで、実におおげさな人々ではあります。
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