漫画家まどの一哉ブログ
「タテ社会の人間関係」 中根千枝
読書
「タテ社会の人間関係」中根千枝 著
(講談社現代新書)
刊行から50年のベストセラー。実はこの本は母親のお気に入りで、ずっと実家の棚にあったのだが、今回初めて買って読んだ。
きわめて理路整然とわかりやすく日本社会の基礎構造を解き明かして納得の行く内容。「職種よりも会社名」「嫁の立場そっくりの従業員」「ヨソ者意識が生む非社交性」「序列意識には能力主義もたじたじ」「もともと契約精神が不在」「論理よりも感情が優先」などなど…どれもこれも今までさんざん言われてきたことだが、思い当たることばかり。
近年では終身雇用制の崩壊、非正規ブラック労働の蔓延、少子高齢化による弊害など変化してきている面もあるが、基本的なものは変わっていないと思う。(たとえば日本型リーダーが下位の者の意見調整型のトップであるのはそうだろうが、失われた20年の間ではトップが老害化して技術革新や働き方改革の波に乗り遅れている)
ではなぜ日本のみが世界でも珍しいタテ社会になっているのかが、通読中の疑問であったが、巻末近くに社会の「単一性」があげられていて、やはりそうだなと思う。「圧倒的多数の同一民族によって占められ、基本的な文化を共有してきた」「本書は『日本人の特質』ではなく、あくまで『単一社会の理論』とよぶべきものである」。
そうであれば今後少しずつ多人種社会に近づいていくことによって200年後には日本も変わっているかもしれない。
「タテ社会の人間関係」中根千枝 著
(講談社現代新書)
刊行から50年のベストセラー。実はこの本は母親のお気に入りで、ずっと実家の棚にあったのだが、今回初めて買って読んだ。
きわめて理路整然とわかりやすく日本社会の基礎構造を解き明かして納得の行く内容。「職種よりも会社名」「嫁の立場そっくりの従業員」「ヨソ者意識が生む非社交性」「序列意識には能力主義もたじたじ」「もともと契約精神が不在」「論理よりも感情が優先」などなど…どれもこれも今までさんざん言われてきたことだが、思い当たることばかり。
近年では終身雇用制の崩壊、非正規ブラック労働の蔓延、少子高齢化による弊害など変化してきている面もあるが、基本的なものは変わっていないと思う。(たとえば日本型リーダーが下位の者の意見調整型のトップであるのはそうだろうが、失われた20年の間ではトップが老害化して技術革新や働き方改革の波に乗り遅れている)
ではなぜ日本のみが世界でも珍しいタテ社会になっているのかが、通読中の疑問であったが、巻末近くに社会の「単一性」があげられていて、やはりそうだなと思う。「圧倒的多数の同一民族によって占められ、基本的な文化を共有してきた」「本書は『日本人の特質』ではなく、あくまで『単一社会の理論』とよぶべきものである」。
そうであれば今後少しずつ多人種社会に近づいていくことによって200年後には日本も変わっているかもしれない。
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