漫画家まどの一哉ブログ
「アラバスターの壺/女王の瞳」ルゴーネス幻想短編集
読書
「アラバスターの壺/女王の瞳」ルゴーネス幻想短編集
ルゴーネス 作
(光文社古典新訳文庫)
ラプラタ幻想文学の源流、アルゼンチン文学の巨匠ルゴーネスの短編集。
「アラバスターの壺/女王の瞳」ルゴーネス幻想短編集
ルゴーネス 作
(光文社古典新訳文庫)
ラプラタ幻想文学の源流、アルゼンチン文学の巨匠ルゴーネスの短編集。
ボルヘスやコルタサルに先んじた書き手だが、両者ともやや苦手な自分としてはどうか…。
幻想文学と言っても多種多様で、いかにも短編らしいストーリーのまとまりがあるとかえって幻想味が薄れてしまう。この作家の場合表現自体に悪夢的なイメージが氾濫するといった風情はないので、よくできた短編だとそこのところがいまひとつかなといった印象はある。むしろ短編より短い掌編のようなものが、逆に説明不足のよさ、なにがおきたのか訳の分からなさがあって、不思議な感覚が得られてよい。ぽーんと放り出されたような面白さ。
カバラや古代エジプト、あるいはマッドサイエンティストなど今ではおなじみの道具立だが、発想はオリジナルで手を替え品を替え出てくるのは、著者が自然科学に博識なためと思われる。
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