漫画家まどの一哉ブログ
「やし酒飲み」 チュツオーラ
読書
「やし酒飲み」エイモス・チュツオーラ 作
以前に挑戦してすぐお手上げ状態だった本作。文庫本を入手して再挑戦した。
全編現実離れしたおとぎ話のような、神話のような民話のような内容で、主人公とその妻が「死者の国」を目指して深い森の中を進み、いろんな妖怪じみた不思議な生物に襲われ、不思議な町や村で過ごし、ついには「死者の国」から故郷に帰ってくるまでの冒険物語。とは言っても描写はほとんどその恐怖と対策に費やされている。
ここまでやりたい放題だと現代文学という感触がなく、説得力や迫真性というものを感じなかった。全体がまるごと虚構すぎて幻想性も感じることができない。不思議な出来事も面白くなくはないが、それほどでもなかった。文化人類学的なあるいは現代アフリカ史的な読み方もあるだろうが、研究者的にはそうだとしても、予備知識なしで物語を楽しもうとしている段階では余計なことだ。ただ常に夫婦の結束が強くて、二人が力を合わせて苦難を乗り越えるところは微笑ましかった。
これを漫画化するならぜったい水木しげるの他はない。水木漫画の表現を思い浮かべながら読んでも違和感はないのだ。
「やし酒飲み」エイモス・チュツオーラ 作
以前に挑戦してすぐお手上げ状態だった本作。文庫本を入手して再挑戦した。
全編現実離れしたおとぎ話のような、神話のような民話のような内容で、主人公とその妻が「死者の国」を目指して深い森の中を進み、いろんな妖怪じみた不思議な生物に襲われ、不思議な町や村で過ごし、ついには「死者の国」から故郷に帰ってくるまでの冒険物語。とは言っても描写はほとんどその恐怖と対策に費やされている。
ここまでやりたい放題だと現代文学という感触がなく、説得力や迫真性というものを感じなかった。全体がまるごと虚構すぎて幻想性も感じることができない。不思議な出来事も面白くなくはないが、それほどでもなかった。文化人類学的なあるいは現代アフリカ史的な読み方もあるだろうが、研究者的にはそうだとしても、予備知識なしで物語を楽しもうとしている段階では余計なことだ。ただ常に夫婦の結束が強くて、二人が力を合わせて苦難を乗り越えるところは微笑ましかった。
これを漫画化するならぜったい水木しげるの他はない。水木漫画の表現を思い浮かべながら読んでも違和感はないのだ。
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