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「貸本屋とマンガの棚」 高野慎三

「貸本屋とマンガの棚」
高野慎三 著
(ちくま文庫)

戦後1950年代から高度成長期が始まるまで、約15年の間に生まれて消えた貸本漫画。忘れられたその世界を当時の社会状況から解き明かす。

マンガの歴史やマンガ界全般に興味が無く、マンガを研究することもないので極私的な感想を持つばかりだ。
著者高野さんが常に説いているのが、作品が描かれた状況を理解することだが、やはり貸本マンガ全般よりもつげ義春や水木しげるなどの作品の背景を読み解く方が面白い。

私自身は貸本マンガの終焉期に触れているが、幼すぎるため劇画などは目に入らず、もっぱら山根赤鬼・青鬼などの愉快なものばかり読んでいた。この著書のなかでユーモアマンガとされるジャンル。その代表として語られる前谷惟光は今考えてもかなりユニークな作家ではなかろうか。子供でも笑ってしまう嫌味なギャグ。

つげ義春やつげ忠男が、時代に合わせて少女ものや忍者ものを描いていて驚くが、ほんの1ページ見るだけでもやはり魅力を感じてしまう。つげ義春のハードボイルド作品「見知らぬ人々」のコマ展開と画質が理想に近い!そして白土三平や水木しげる。自分が貸本マンガに言及するとしてもこの辺りまで。個人的な趣味としては平田弘史やさいとうたかをは男性性が勝ちすぎていて苦手な部類。かといって本書で女性的とされる小島剛夕が好きかというとまったくそんなことはない。

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