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「精神と自然」 グレゴリー・ベイトソン 

「精神と自然」
グレゴリー・ベイトソン 著
(岩波文庫)

サブタイトル「生きた世界の認識論」。我々の世界と認識そのものを多角的、網羅的に分析してシステムの本質に迫る。

私たちが世界を捉える仕組みをここまで厳密に整理・分類することができるのか。そのことに先ず驚き、著述全体を振り返ってトータルな感想を述べるだけの理解はとてもないものの、各章ごとの精密なケース解説はおもしろく読んだ。以下項目の中からピックアップ。

誰もが学校で習うこと:科学は何も証明しない・数と量とは別物である・因果関係は逆向きには働かない。
重なりとしての世界:両者の違いが違いを生むことで情報となるような”最低二つ”のものとは一体何者か。__両眼視覚・同義の異言語・うなりとモアレ等など…。
精神世界を見分ける基準:精神とは相互作用する部分(構成要素)の集まりである・精神過程は、再帰的な決定の連鎖を必要とする・変換プロセスの記述と分類は、その現象に内在する論理階型のヒエラルキーをあらわす。

大いなるストカスティックプロセス:ストカスティック(散乱選択的)とは、出来事をある程度ランダムにばらまいて、その中のいくつかが期待される結果を生むことを狙う、の意。ジェネティックな(遺伝子レベルでの)変化も、学習と呼ばれる習得プロセスも、ともにストカスティックな進行過程であるという大前提に本書は立つ。

などなど項目を羅列したが、わかる範囲で感心して読んでいるのが精一杯で、こちらからの新たな疑問などまるで覚束ない。本書全体を通してベイトソンが到達した極めてユニークな視点がなんであるのか、私の手には負えないが魅力は大いにあるのだ。

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