漫画家まどの一哉ブログ
「散文詩」 ツルゲーネフ
読書
「散文詩」ツルゲーネフ 作
「老いたる言葉」というタイトルで死の前年まで書かれたものが、改題してまとめられた晩年の小品。
ごく短いものばかりで必ずしも全てが詩文というわけでもないが、エッセイ・小話も含んで味わい豊かな作品集。みずみずしい情景描写で子供でもわかるように可愛らしいが、世の中に対する風刺や警句もあって大人を納得させる。
やはり病を得て過ごす老境というものか、全体にペシミスティックな悲しい色調がただよう。病を得て寂しい境遇のまま後は死んでいくだけ、人生とはなんと儚いものだろうか…。いくつもの長編名作を書き上げたツルゲーネフだが、個人的には幸福・円満といった人生でもなかったようで、死を前にした人間がどうしても抱く恐れ・虚しさ・孤独といったものがひたひたと流れて心に沁みこんでくる。それが落ち着いた調子となって馴染みやすい。
身辺雑記ではなくれっきとした創作で、さすがにうまい。
「散文詩」ツルゲーネフ 作
「老いたる言葉」というタイトルで死の前年まで書かれたものが、改題してまとめられた晩年の小品。
ごく短いものばかりで必ずしも全てが詩文というわけでもないが、エッセイ・小話も含んで味わい豊かな作品集。みずみずしい情景描写で子供でもわかるように可愛らしいが、世の中に対する風刺や警句もあって大人を納得させる。
やはり病を得て過ごす老境というものか、全体にペシミスティックな悲しい色調がただよう。病を得て寂しい境遇のまま後は死んでいくだけ、人生とはなんと儚いものだろうか…。いくつもの長編名作を書き上げたツルゲーネフだが、個人的には幸福・円満といった人生でもなかったようで、死を前にした人間がどうしても抱く恐れ・虚しさ・孤独といったものがひたひたと流れて心に沁みこんでくる。それが落ち着いた調子となって馴染みやすい。
身辺雑記ではなくれっきとした創作で、さすがにうまい。
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