漫画家まどの一哉ブログ
「原民喜ー死と愛と孤独の肖像」 梯 久美子
読書
「原民喜ー死と愛と孤独の肖像」
梯 久美子 著
原民喜評伝。他人とコミュニケーションをとることが極端に苦手で、ほとんど喋らない。世間知がまるでなく、奥さんが生きている間は世間との交渉はつねに奥さんを介して行った原民喜。そんなふつうなら厄介がられる人間に周りの文学者たちは魅了され、こぞって親切にした。なんと不思議な人物だろう。その瑞々しい才能に引かれるのもさりながら、自身に厳しく他人を責めない無私の人格に放っておけないものを感じたのかもしれない。
代表作「夏の花」が書かれ発表に至る経緯が解説されているが、被爆当初から避難生活の間に実際見聞きしたことを、小さな手帳にカタカナでメモしていて、それがそのまま小説に作品化されている。そのメモ自体が既に透徹した美しい文体だ。詩を書いても散文を書いても美しいだけでなく、迫り来る躍動感がある。この稀有の才能。
性格的に一見正反対に見える遠藤周作との交流が面白く感動的。
「原民喜ー死と愛と孤独の肖像」
梯 久美子 著
原民喜評伝。他人とコミュニケーションをとることが極端に苦手で、ほとんど喋らない。世間知がまるでなく、奥さんが生きている間は世間との交渉はつねに奥さんを介して行った原民喜。そんなふつうなら厄介がられる人間に周りの文学者たちは魅了され、こぞって親切にした。なんと不思議な人物だろう。その瑞々しい才能に引かれるのもさりながら、自身に厳しく他人を責めない無私の人格に放っておけないものを感じたのかもしれない。
代表作「夏の花」が書かれ発表に至る経緯が解説されているが、被爆当初から避難生活の間に実際見聞きしたことを、小さな手帳にカタカナでメモしていて、それがそのまま小説に作品化されている。そのメモ自体が既に透徹した美しい文体だ。詩を書いても散文を書いても美しいだけでなく、迫り来る躍動感がある。この稀有の才能。
性格的に一見正反対に見える遠藤周作との交流が面白く感動的。
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