漫画家まどの一哉ブログ
「予言者の名前」
読書(mixi過去日記より)
「予言者の名前」
島田雅彦 作
オウム事件が合った頃は、カルト教団を材料に宗教の問題を扱った作品が多くあった様な気がする。
自分はそのちょっと前から、それっぽいハナシを考えて「クイックジャパン」に幾つか発表したが、世の中みんなやりだしたのでイヤになってやめた。
それでもカルトや宗教は、基本的に興味のある題材なので、古本屋でこんなものを見つけると、短いものだしちょっと読んでみようかと思う。
宗教の世俗化が進んでいて、わりとどの宗教からも等距離でいられる日本人ならではの視点で描かれた宗教小説。ワタルとムルカシという二人の宗教家(予言者)が、既存の宗教的立場に次々と疑義を投げかける。その内容が観念的な言葉でそのまま語られる。
といっても、小説だから難しい論理を展開する訳ではないが、いわゆる生活や風景の描写など、ふつうの小説で描かれる様な部分はほとんどない。したがって面白いことは面白いが、登場人物に自分を重ねたりして味わうことはできません。短ければこんなのもあり。
文庫本は巻末に中沢新一の解説がついているが、これがよかった。ただし島田雅彦を誉め過ぎ。島田雅彦は求道者とは真逆の、フツーのインテリオヤジという印象が自分にはある。
「予言者の名前」
島田雅彦 作
オウム事件が合った頃は、カルト教団を材料に宗教の問題を扱った作品が多くあった様な気がする。
自分はそのちょっと前から、それっぽいハナシを考えて「クイックジャパン」に幾つか発表したが、世の中みんなやりだしたのでイヤになってやめた。
それでもカルトや宗教は、基本的に興味のある題材なので、古本屋でこんなものを見つけると、短いものだしちょっと読んでみようかと思う。
宗教の世俗化が進んでいて、わりとどの宗教からも等距離でいられる日本人ならではの視点で描かれた宗教小説。ワタルとムルカシという二人の宗教家(予言者)が、既存の宗教的立場に次々と疑義を投げかける。その内容が観念的な言葉でそのまま語られる。
といっても、小説だから難しい論理を展開する訳ではないが、いわゆる生活や風景の描写など、ふつうの小説で描かれる様な部分はほとんどない。したがって面白いことは面白いが、登場人物に自分を重ねたりして味わうことはできません。短ければこんなのもあり。
文庫本は巻末に中沢新一の解説がついているが、これがよかった。ただし島田雅彦を誉め過ぎ。島田雅彦は求道者とは真逆の、フツーのインテリオヤジという印象が自分にはある。
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