漫画家まどの一哉ブログ
「ラバウル戦記」
読書
「ラバウル戦記」
水木しげる
水木さんの戦争体験については、漫画や文章などで多く紹介されているので、自分もよく知っているのだが、この本はページの上半分が戦争当時のラフスケッチ画で占められていて、下半分に水木さんの解説があるといった体裁でたのしい。なかでもカラーの絵が美しく、特にグリーンが鮮やか。夜のシーンはさすがに雰囲気がある。
それにしても軍隊とは理不尽な場所だよ。水木さんは連日ビンタをくらってばかり。日本社会に伝統的ないわゆる抑圧移譲なのだが、かわいそうに水木さん達は最後の新兵で後から入ってくるものがいなかった。毎日が訓練や労働でムダに体力を消耗しているみたいだ。実際の戦闘自体は一瞬のことで、それも戦闘というより一方的に攻撃されるばかり。その後の水木さんの必死の逃走から爆弾で片腕を失うまでは有名なハナシだが、強運を支える体力が人一倍あった。
一年中、魚や果物が豊富にとれ農作物もぐんぐん実る。南方では毎日のんびり暮らせばよい。「南の島は楽園。はたして文明は人間を幸福にしているのだろうか?」水木さんがよくいうところだが、文明人が文明を発達させざるを得なかったのは、食べ物のない冬を越さなければならなかったから。と思うけど、あとはエンゲルスにきいてみよう。
「ラバウル戦記」
水木しげる
水木さんの戦争体験については、漫画や文章などで多く紹介されているので、自分もよく知っているのだが、この本はページの上半分が戦争当時のラフスケッチ画で占められていて、下半分に水木さんの解説があるといった体裁でたのしい。なかでもカラーの絵が美しく、特にグリーンが鮮やか。夜のシーンはさすがに雰囲気がある。
それにしても軍隊とは理不尽な場所だよ。水木さんは連日ビンタをくらってばかり。日本社会に伝統的ないわゆる抑圧移譲なのだが、かわいそうに水木さん達は最後の新兵で後から入ってくるものがいなかった。毎日が訓練や労働でムダに体力を消耗しているみたいだ。実際の戦闘自体は一瞬のことで、それも戦闘というより一方的に攻撃されるばかり。その後の水木さんの必死の逃走から爆弾で片腕を失うまでは有名なハナシだが、強運を支える体力が人一倍あった。
一年中、魚や果物が豊富にとれ農作物もぐんぐん実る。南方では毎日のんびり暮らせばよい。「南の島は楽園。はたして文明は人間を幸福にしているのだろうか?」水木さんがよくいうところだが、文明人が文明を発達させざるを得なかったのは、食べ物のない冬を越さなければならなかったから。と思うけど、あとはエンゲルスにきいてみよう。
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