漫画家まどの一哉ブログ
「フラッシュ」或る伝記 ヴァージニア・ウルフ
読書
「フラッシュ」或る伝記
ヴァージニア・ウルフ 作
(白水Uブックス)
詩人エリザベス・バレットの波乱の人生を共に生きた愛犬、コッカー・スパニエルの「フラッシュ」。彼の眼を通して語られる犬と彼女の心通う物語。
詩に疎い私はエリザベス・バレット・ブラウニングも夫のロバート・ブラウニングも知らなかった。犬を飼ったこともないが、動物と人間の心がひとつになっていく様子が、もちろん作家がそう書いているのだが心温まる。本来なら野山を駆け巡りたい若きフラッシュが、ロンドンの薄暗きバレット嬢の寝室で暮らすことになるや、戸外への関心を失って主人の心に寄り添っていくのが、なんと健気なやつかと哀れみを誘う。
やはりフラッシュが裏心なくかわいいので、直接詩人の伝記を読まされるよりは楽しく読める。作者はほんとうは詩人の伝記を書きたかったようだが、この動物小説ならではの楽しさが貴重だ。
「フラッシュ」或る伝記
ヴァージニア・ウルフ 作
(白水Uブックス)
詩人エリザベス・バレットの波乱の人生を共に生きた愛犬、コッカー・スパニエルの「フラッシュ」。彼の眼を通して語られる犬と彼女の心通う物語。
詩に疎い私はエリザベス・バレット・ブラウニングも夫のロバート・ブラウニングも知らなかった。犬を飼ったこともないが、動物と人間の心がひとつになっていく様子が、もちろん作家がそう書いているのだが心温まる。本来なら野山を駆け巡りたい若きフラッシュが、ロンドンの薄暗きバレット嬢の寝室で暮らすことになるや、戸外への関心を失って主人の心に寄り添っていくのが、なんと健気なやつかと哀れみを誘う。
やはりフラッシュが裏心なくかわいいので、直接詩人の伝記を読まされるよりは楽しく読める。作者はほんとうは詩人の伝記を書きたかったようだが、この動物小説ならではの楽しさが貴重だ。
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