漫画家まどの一哉ブログ
「イワーン・イワーノウィッチとイワーン・ニキーフォロウィッチとが喧嘩をした話」 ゴーゴリ
読書
「イワーン・イワーノウィッチとイワーン・ニキーフォロウィッチとが喧嘩をした話」
ゴーゴリ 作
(岩波文庫)
19世紀前半、ロシア地方都市の小地主やお役所の毎日はまことに呑気なものである。ここに登場する二人の仲良き小地主がふとしたことから諍いを起こし、長年にわたって決裂する。両者の訴訟騒ぎの間で翻弄される裁判官や警察官ののんびりした仕事ぶりや、二人を仲直りさせようとする住人たちの画策などを描いたユーモア小説。訴状を咥えて遁走する豚も登場。
悪人はひとりも出てこない。おかしなくらい譲り合ってようやくお茶を一杯いただいたり、履くと必ず犬に噛まれるズボンなど、愉快な小ネタをたくさん交えながら話は進行。それでいて地方都市のリアリズムはしっかり手放さないので、現代の我々が読んでも十分に楽しめる。ユーモア小説なので、なんとなく最後はあっと驚かせて仲直りというオチかと予想していたら、さすがにゴーゴリ、社会派写実小説の巨人だけあって、なんともやるせない寂しい現実が待っていた。
とは言っても自分は「ヴィー」などの怪奇短編の方が好きだが、怪奇とコメディは隣り合ったものだからな。この文庫の1刷り目は1928年である。
「イワーン・イワーノウィッチとイワーン・ニキーフォロウィッチとが喧嘩をした話」
ゴーゴリ 作
(岩波文庫)
19世紀前半、ロシア地方都市の小地主やお役所の毎日はまことに呑気なものである。ここに登場する二人の仲良き小地主がふとしたことから諍いを起こし、長年にわたって決裂する。両者の訴訟騒ぎの間で翻弄される裁判官や警察官ののんびりした仕事ぶりや、二人を仲直りさせようとする住人たちの画策などを描いたユーモア小説。訴状を咥えて遁走する豚も登場。
悪人はひとりも出てこない。おかしなくらい譲り合ってようやくお茶を一杯いただいたり、履くと必ず犬に噛まれるズボンなど、愉快な小ネタをたくさん交えながら話は進行。それでいて地方都市のリアリズムはしっかり手放さないので、現代の我々が読んでも十分に楽しめる。ユーモア小説なので、なんとなく最後はあっと驚かせて仲直りというオチかと予想していたら、さすがにゴーゴリ、社会派写実小説の巨人だけあって、なんともやるせない寂しい現実が待っていた。
とは言っても自分は「ヴィー」などの怪奇短編の方が好きだが、怪奇とコメディは隣り合ったものだからな。この文庫の1刷り目は1928年である。
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